「約束」涙の君を【完】
●高校生活

不安




新学期が始まった。



朝、買ってもらった自転車に乗り、

学校へと走った。



白いブラウス、

グレーのスカート

紺のハイソックス。




制服の着方があっているのか、


少し高い位置でひとつに結いた髪型が、

おかしくないか、


気になりながら自転車をこいでいた。





校門前の橋を渡り、


門を抜けると、


校舎脇の駐輪場に向かった。






自転車を停めていると、祥太が自転車をこいでいるのが見えた。



そして、私の隣にザザーッと勢いよく自転車で入ってくると、


「おはよ」って笑った。



祥太はちょっと眠そうな顔で、髪もちょっと寝癖っぽくて、


なんだかそれがかわいくて、

思わず笑ってしまったら、


祥太は下を向いて、自分の髪をくしゃくしゃっとした。


「俺、朝ダメだ……超眠い……」



祥太にも苦手なものがあったんだ……




祥太の顔をちらっと下から覗くと、


あははって笑って、



「制服似合ってんじゃん」



って、頭をぽんぽんと撫でた。



その様子を通り過ぎて行く生徒たちが見ていて、

ちょっと気になったけど、


祥太は全然気にしていない様子だった。



そのまま祥太の後をついて校舎に入り、職員室まで連れて行ってくれて、


私は先生と会い、


祥太は教室に行ってしまった。









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