「約束」涙の君を【完】
都会育ちの私にとって、
田舎のおばあちゃんの家は、
何回行っても好きになれない場所だと思った。
だって古い家には、苦手な虫がうじゃうじゃいるし、
知らない人がやたら馴れ馴れしいし。
お店も遠いし。
何で遊べばいいかわかんないし。
でも、
優しいおばあちゃんとおじいちゃんが、
私は大好きだから、
いろいろ生活しにくいと思うところはあるけど、
おばあちゃんとおじいちゃんに会える夏休みは、
やっぱり好きだと思った。
でも、もう来年は中学。
絶対に部活に入ろうと思っているから、
なかなかおばあちゃん家に長く泊まることなんて、
できなくなる。
だから小学校最後の夏休み、
いつもは1週間ぐらい泊まる感じだったけど、
今年は、最初から最後まで、
夏休み全部、おばあちゃんの家で過ごすって、
自分で決めたんだ。
しかも、ひとりで泊まるって。