「約束」涙の君を【完】
なんて声をかけたらいいのか、
しばらく悩んだ。
祥太は、はぁ……と深いため息をついて、
また前屈みになった。
「なんでまた東京なんだよ、
祥太だけでも残れないのかよ」
祥太は、ふっと笑った。
「結局、俺はまだ子供なんだよ。
親に頼らないと生活できない。
クリスマスの日にいきなり言われて、
ここに残りたいって言ったんだけどさ。
家も売るみたいだし、
俺には、
まだ子供の俺には、
ここに残る力がないんだよ」
そうだよな……現実問題、無理なんだろうな。
それに、
親が決めたことに、逆らうなんて、
祥太には、無理だろうな……
「優衣ちゃんは、納得したのか?」
祥太は首を振った。
「俺がいないと生きていけないって言われたよ。
それは、俺もわかってた。
だから、一生守ってやるって言ったのに……
そばにいなきゃ……守ることなんてできないよな……
どうすんだよ、また声が出なくなったら、
どうすんだよ、俺がいない時に発作が起きたら、
どうすんだよ……って………」