「約束」涙の君を【完】
それからとうもろこしが茹で上がるまで、縁側に祥太と座って待った。
古い扇風機と、蚊取り線香。
風鈴の涼しげな音を聞きながら、麦茶を飲んだ。
祥太は麦茶を一気飲みした。
「待って、おかわり持ってくる」
空のグラスを持って台所に行き、冷蔵庫から麦茶を出してグラスになみなみと注ぐと、
冷蔵庫に麦茶をしまった振りをして、冷凍庫から棒アイスを2本こっそり取り出した。
「優衣、アイスは一日一本、朝食べてたのばあちゃん見たぞ」
ヤバイ、ばれた。
「祥太が来たから特別!ね!特別!」
私がへへっと笑うと、
「特別?まぁ…特別にするかぁ。
もうすぐ茹で上がるからなぁ」とおばあちゃんは額の汗を拭いた。
縁側に戻り祥太の隣に座ると、「はい」とアイスを渡した。
「あ…ありがとう」
二人で何も言わずにアイスを食べた。
今日はやけに風鈴の音が大きい…そう感じた。