CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
でも、私の初めての彼氏

懐かしい淡い思い出にしたかったような気もするが、菜摘の言うように私も三股の餌食になっていたかもって言葉に、そんな淡い思い出なんて記憶は削除したくなってしまった


「疾風の奴‥‥
 大学でも、相当遊んでるって話だよ
 貴子が疾風と同じ大学なんだけど、相変わらず女を食い物にしてるって話だよ
 ってか、貴子達を覚えてる?」

「うん‥‥
 貴子も、愛美も、あと博子も覚えてるよ!!
 会いたいなぁ~」


菜摘が言い放つ疾風の事なんて、最早どうでも良いとばかりに私は高校の友達を思い出していた

大学までエスカレータ式だった私立の高校で、地元で幼稚舎から居たのは菜摘だけだった

私と中学が一緒だったのは、いつも仲間の中心的存在だった高橋博子-タカハシヒロコ-だったのだが、互いに中学の時は面識もなく、高校受験で仲良くなった一人だ

そして同じ沿線で通う優希に、天然の吉本貴子-ヨシモトタカコ-

男の子の前だと話せなくなってしまう田端愛美-タバタメグミ-と、私達6人はいつも一緒に居たっけ‥‥

行き帰りの通学

休み時間

同じクラスになった切っ掛けで、いつも一緒に居ては、くだらないお喋りに花を咲かせ、いつだって笑っていた


「なら、呼び出す?」

「えっ?」


突如、優希が言い放った

確かに会いたい

でも、そんな急に呼び出したって無理に決まってる

そう思っていると、優希は携帯を手に席を立ったのだった


「ちょっと‥‥
 そんな、急に呼び出したって予定とかあるかも知れないじゃん!!
 それに、もう9時だよ」


私は店の時計に目を向け、優希を止めようとしたのだが、優希は私の言葉なんて聞かないとばかりに歩き出してしまった

確かに会いたい

でも‥‥

そんな事を思ってる私を菜摘がクスクスと笑い、気にするなっとばかりにグラスにシャンパンを注いでくるのだった


「まぁ~、折角の再会なんだから呑みなよ♪」

「う、うん‥‥
 でも、なんか急に呼び出すなんて悪い気がして‥‥」

「皆、瑠璃が思ってる以上に会いたがってるんだよ!!
 その証拠に、ほら‥‥」


突然菜摘が顎で合図を送ったのに振り向くと、そこには貴子達が大きく手を振って立っていたのだった


「う‥そ‥‥!!
 何で?
 もしかして、事前に計画してたの?」

「当たり前じゃん!!
 だって、折角の再会だよ
 やっぱり6人で集まりたいじゃん♪」


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