CINDERELLA STORY~貴方に巡り会えた奇跡~
信じられないとばかりに菜摘に言った私に、菜摘は大成功っと言った感じでシャンパングラスを、カチンッと鳴らせたのだった

肩までだった髪が、凄く長くなっていた貴子

ショートカットに、ちょっと時代遅れな服装で立ってる愛美


「瑠璃~~~!!」


相変わらず、大きな声を上げて走り寄る博子は、高校の時より大人っぽくなっている

そんな3人の姿に、私は懐かしさと再会の感動で涙が溢れてしまったのだった


「じゃあ、博子は看護大学に通ってるって事は、卒業したら看護師になるって事だよね?
 貴子と愛美は?」


再会と同時に、自分の近況報告を一番に話し出したのは博子だった

早くに母親を亡くし、その時に夢は看護師になりたいって思ったけど、夢って口に出すのは恥ずかしいから黙っていたけど、男手一つで育ててくれた父が心臓を悪くした事で、夢を実現しようと決めたらしい


「私は、K大の英文科に通ってるんだよ
 一応、アナウンサー希望だったりして‥‥」

「貴子がアナウンサー?
 知らなかった‥‥」


シャンパンを一口飲み、ちょっと照れたように言った貴子の言葉に、菜摘が驚くように言い放ったのだった


「貴子がアナウンサー志望ねぇ~
 天然なのに、大丈夫なの?
 ってか、愛美は?」

「わ、私は‥‥
 介護ヘルパーになろうかと思ってるよ」


この中で、一番煙草なんて似合わない愛美が煙草を吸いながら、優希の言葉に介護ヘルパーになろうと思ってると言い放った


「天然?
 愛美ちゃんが天然なの?」

「はぁあ?
 天然は貴子に決まってるでしょ!!
 ってか、反応遅いし‥‥」


愛美が介護士になるって話から、遅れたように貴子が口を挟んだんだのだが、相変わらずの反応の鈍さに博子の突っ込みが入った

それと同時に、私達からは笑い声が響いたのだった

それぞれが夢を持ち、目標に向かって歩き出している

高校の時は、そんな事を話したりしなかった

ただ、今が楽しければ良いって感じで騒ぎ、何か一つの事に対して熱しやすくて冷めやすく、夢中になれるものを探していたって感じだった

私が皆と別れてから5年‥‥

お酒を飲める歳になったけど、大人と呼ぶにはまだ子供で、だけど5年と言う歳月は人を大きく成長させているんだと感じさせられた

自分では、あまり変わってない

そう思っても、離れている間で誰もが成長している

なら、私も成長したのだろうか‥‥

そんな事を考えさせられる仲間との5年ぶりの再会だった‥‥



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