日々是淡々と‥

典子は亜由美に話しかけた。

「亜由美ちゃん、結婚
したいの？」

「えっ？う、うん。
そりゃ、できれば
したいよ。」

「誰か好きな人でも
できたの？」

「いれば、そんなこと
言わないわよ。」

「なんで、急に‥」

「だってさぁ～私、来年
４４歳だよ。なのに、
未だに派遣社員で年収
３００万円ぽっちだよぉ。
この先、いつまで働けるか
も保障されていないし、
こんなんじゃ、年金だって
まともにもらえないだろうしね‥。
体力だって年々衰えてくるし‥。
たとえ６５歳までこんな風に
なんとか働き続けられたと
しても年金だけで生活は
できないだろうし、
だからって死ぬまで働き続ける
なんてもっと考えられないし、
第一考えたくもないよ、
ねぇ、どう思う？」

　典子は何も言えなかった。