好きと言えるまで
制服から私服に着替え終わり、夕飯の仕度を手伝おうと階段を下りているときだった。
「はぁ!?何でそう勝手に決めてんだよ!!」
二階まで響く大きな男の人の声。
お父さんである龍一の声ではない。
少し低くて、癖のある‥この声は先程まで一緒にいた一宮くんの声?
「お前たの事を思って決めた約束なんだから、仕方ないだろう!」
と、もう一人男の人の声。一宮くんのお父さんだろうか。
「子供の意思はどうなるんだよ!」
「とりあえず一端落ち着け!!」
人の家で何を争っているのか。
ひょっこりと、居間へと顔を出すとあかりお母さんとみさきお姉ちゃん、お父さんの姿。
それに一宮くん、そして先程あかりお母さんが言っていた一宮くんの‥お父さん?
「つばさおかえり」
私の存在に気づいたみさきお姉ちゃん。
「ただいま、何の騒ぎなの?」
「つばさ」
父さんが真剣な顔をして私の名前を呼んだ。
「お父さん、一体どうしたのよ…」
「あのな、実は…」