好きと言えるまで
あの場所には一人で来たはず。
なのに何で都合よくあの場所に居合わせたのか…、それに一瞬で三人をノックアウトさせてしまうなんてこの人出来る‥‥‥。
「お前が勢いよくぶつかって来たんだろ?謝りもしないで走って行っちゃうし、それにお前の家に行かなきゃなんねーのに。だから追いかけて来たんだよ」
教室を出るときにぶつかったのは一宮くんだったのか。
「そうだったの‥なんか、ごめんね」
ぶつかっておいて謝りもせず、しかも助けて貰って…更には約束を忘れ掛けていた。
何だか申し訳ないような気持ちになり謝ると、私の家の前まで来て足を止める。
「ここが私の家なの上がって」
「へぇー、結構いいお屋敷だな、お邪魔します」
木造で出来た少し古びた家。
それでも近所の人たちにはしっかりとした素敵な家だと多々誉められることも多い。
門を潜って玄関を開けるとあかりお母さんが出迎えてくれた。
「おかえりつばさ、あら?」
「ただいま、何か家に用があるみたいなの」
きょとんとしてしまったあかりお母さん。
「一宮 卓真です、急にすみません…」
「一宮くんって‥、ああ、お待ちしてました。お父様はもういらしてますよ」
彼の名前を聞いた途端に優しくそういう。
しかもお父様って‥
「よろしくね」
「‥?」
そういい残すと一宮くんを居間へと連れていくお母さん。
お父さんの知り合いかなんかかもしれない。
私は一宮くんを義母に任せて二階にある自分の部屋に向かった。