消えた清水能舞台(A探偵団5)

雨の参道

○京都府警本部、正面

○同、本部長室、内
   山本本部長がデスクに座って手紙を読んでいる。

本部長「『水無月の長刀鉾に誘われて流れ去り行く
 清水能舞台』か。水無月と言えば6月。長刀鉾は7月だ。
 清水寺が梅雨の終わりに消えてなくなると言うのか?」

   ノックの音。
   出羽と亀山が入ってくる。
出羽と亀山「失礼します!」

本部長「よし、ごくろうさま!」
   本部長、立ち上がる。

○清水道
   雨が降っている。
   出羽と亀山、傘をさして歩いている。
   清水にいたるかなりきつい坂。

   両側に土産品店が続く。
   かなりの観光客がいる。
出羽「きつい坂やなあ」

亀山「大雨の時には五条通まで川のようです」
出羽「大雨か。何で水無月と言うのやろな?」
亀山「・・・・・」

出羽「神無月と言うのは11月に神様が皆出雲に
 集まるから他は神がおらんようになるからやろ?」

亀山「出雲と言えば大昔の大神殿がちょうど清水の
 能舞台のような大木で造られていて、日本海には
 埋没した大神殿があるそうですよ」

出羽「埋没か・・・それはないやろう」
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