もっと傷つけばいい
ソウが泣き疲れて眠ったことを確認すると、あたしはベッドを抜け出した。

ベッドから抜け出すと、床のうえに散らばった下着を拾って身につけた。

あたしは寝室を出て、書斎へ向かった。

本棚の奥に隠していた本を取り出して、それを開いた。

開くと、ソウの結婚式の写真があった。

あたし、ソウのことが好きだったかも知れない。

だけどソウには、愛している人がいる。

あたしはその人の身代わりにされた。

「――さよなら…」

あたしは呟いて、静かに涙を流した。
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