もっと傷つけばいい
「僕の妻に何か用事か?」

あたしと彼女の間にソウが立った。

そう言ったソウに、
「えっ、妻…?」

彼女は訳がわからないと言うように呟いた。

「谷渚(タニナギサ)、正真正銘の僕の妻だ。

何か用事でも?」

ソウが淡々と彼女に話しかけた。

「そんな、妻だなんて…。

間違えてると思います!」

首を横に振って否定した彼女に、
「間違ってるのは君の方だ。

現に妻は君のことを知らないと言っている。

そうだろ、ナギ?」

ソウがあたしに言った。
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