もっと傷つけばいい
彼女は泣いていた。

悩んでたなら、相談して欲しかった?

…バカバカしい。

あたしはあんた――と言うよりも、周りに愛想がつきていたのよ。

だから、あたしは出て行ったのよ。

あたしだって、幸せになりたいのよ?

幸せになれる権利は、あたしにもあるでしょ?

グズグズ泣く彼女を、あたしは鼻で笑った。

あんたたちが1番愛しているのは、世間体でしょ?

あたしはスマートフォンをいじりながら、アイスティーを飲んだ。
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