もっと傷つけばいい
あまりにも強烈で衝撃的で…優しいソウの性格から、あたしは考えることができなかった。

何だろう…?

灼熱の鞭で力いっぱい強く叩かれたとでも言うのだろうか?

「――ナギ…」

ソウがあたしの名前を呼んで、手を伸ばしてきたと思ったら、あたしの頭を軽くなでた。

「やっぱり、辛かったか?」

聞いてきた彼に、あたしは入らない力で首を横に振った。

ソウはタオルケットであたしの躰を包んで、
「今日は、もう休みな」

その大きな手で、あたしの目を隠すように覆った。
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