もっと傷つけばいい
太刀打ちできない状況に困っていたら、
「僕の妻に何か用事か?」

ソウがあたしと中年男の間に入ってきた。

「妻?」

突然の第3者の登場に、中年男はイラついたように聞き返した。

「彼女は僕の妻だ。

人違いなら他へあたってくれ」

ソウは毅然とした態度で中年男を追い払おうとした。

「妻ねえ、へえ…」

追い払おうとするソウをバカにするように、中年男はニタリとあたしたちに向かって意地の悪い笑みを浮かべた。
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