実は、彼女はご主人様でした。
真人は桜雪にとって何だったのか、ただのお供としてのペットだったのか、そういった悔しい気持ちも少なからずある。



「私はいいよ、話しても」



桜雪の返事は意外にもあっさりとしていた。



「いいの?」

「別に、私は構わないけど…」

「俺の知っている桜雪は詳しく教えてくれようともしなかったけどな…」

「あぁ…まぁ…それは…仕方ないよ…」

「仕方ないって…」

「まぁ、いいでしょ。真人はそれが聞きたいわけじゃないでしょ」

「あ、はい」

「じゃ、そのことについては心に仕舞って」

「了解」

「桜雪が人間に殺されたことは知ってるのよね」

「はい」

「それを必死に守ろうとしていた太郎の姿は?」

「え…?」

「桜雪が人間に襲われているのを必死に食い止めようと太郎はしていたのよ。だけど、逆に怪我をしてしまったの。それでも桜雪の側で威嚇する太郎を桜雪は覆いかぶさる形で守っていたのよ」



桜雪が太郎を守っていた…。
そして太郎も桜雪を守ろうとしていた。
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