四竜帝の大陸【赤の大陸編】
 すると地面から青白い炎がぶわっと、勢いよく噴出し。
 ハクの右脚の膝までの伸びて、絡みつくように燃え、揺らぎ。

「きゃ!? ……あれ?」

 輪止を道連れにして、消えた。
 地中へと、吸い込まれるかのように……。 

「は? 旦那、知らなかったんすか!? もっと世間に興味持ちましょうよ。そんなんだから青の陛下に箱入りジジイなんて言われるですって! ……ああ、旦那。そろそろ転移で城へ戻ってください。母さ……陛下が首を長くして待ってるでしょうから」

 青白い炎を見たはずなのに。
 輪止が消えたのに気づいているはずなのに。
 ダルフェさんは、それについては何も言わなかった。
 傍にいたカイユさんも、何も言わない。

「……」

 だから。
 私も言わなかった、訊かなかった。

「姫さん」
「あ。は、はい!」

 ダルフェさんの緑の瞳が。
 垂れ目だけど、鋭い目が。

「姫さん、俺は今度はちゃんと“確認して”帰ることにするから。旦那と先に赤の陛下の城に行ってちょうだいね?」

 私を見て。
 お得意の、ウィンクをひとつ。

「うん、やっぱ確認って大事だよねぇ~?」

 確認?
 ダルフェさんは。

「旦那」

 貴方はここで、これから。

「さっき、あんたは俺に言いましたよね? <赤の竜騎士>の役目を果たせと」

 ダルフェさん。
 何を確認するの?

「お言葉に甘えて、そうさせてもらいますよ。<ヴェルヴァイド>様」
「……ダルフェ。これを」

 カイユさんがダルフェさんへと差し出した刀は。
 鞘が朱色で、細かな装飾が施された鍔には、真っ赤な宝石が4箇所に埋め込まれている。
 以前、カイユさんが私に持たせてくれた刀だった。
 それは。
 とても。

「ありがとう。借りるよ、カイユ」

 <赤の竜騎士>のダルフェさんに。
 とても、似合っていた。




< 81 / 177 >

この作品をシェア

pagetop