黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~

誰の霊であっても、強い思いに縛られれば地縛霊になる。
そして、その思いが長く残れば残るほど悪霊に近い存在になっていく。

その思いは、生きている人のモノでも、亡くなった人のモノでも関係無い。
誰しも、悪霊になりたくてなっている訳ではないのだ。


俺はフェンス際に停めていた自転車にまたがると、すぐに家路に着いた。
昼間と変わらず蒸し暑い。きっと今夜は熱帯夜になるだろう。
本当に疲れる1日だった。
本来なら風呂に入って速攻で寝るところだが、そうはいかない。
あと1人を成仏させれば果歩に会えるのだ。

ペダルを踏む足に思わず力が入る。

早ければ明日。
遅くとも明後日にはでおうにかしたい。


しかし・・・
帰宅してすぐに飛び込んだ風呂の後どうにか自室まで戻ったものの、力尽きて朝まで寝てしまう事になった。





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