黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~

翌朝、耳元で鳴り始めた着信音で目が覚めた。

机の上にある時計を見ると、7時35分を指している。こんな早くから電話してくるヤツは、アイツくらいしかいない。

「雅治!!私からの電話は、3コール以内に出なさいよね。この私が電話してるんだから、8コールなんて有り得ないでしょ!!」

朝からテンションが高い。
寝起きにはツラ過ぎる。

「で、何かあった?」
「市橋駅に8時集合ね」
「はあ?」
「もう1回言うわよ。市橋駅に8時」
「何の話?」
「・・・だから、雅治だけだと危ないから、一緒に行ってあげるって言ってんの!!」

一瞬、意味が分からず頭が真っ白になる。
「マジで?昨日も散々ヒドい目に遭ったのに?」
「は、8時よ。遅れたら死あるのみ!!」
一方的に通話が切れた。

何だかよく分からないが、瑠衣が一緒に来てくれるのは心強い。俺よりも、瑠衣の方が圧倒的に知識が豊富だ。


ふとスマートフォンに目を落とす。
ヤバい。あと15分しかない!!

俺は慌てて着替えると、転がる様に部屋を飛び出した。

 


< 71 / 100 >

この作品をシェア

pagetop