黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~

帰宅後、シャワーを浴びて汗と埃を流した俺は、窓を開け放ってベッドに寝転んだ。

ようやく2人。
あと1人で約束の3人・・・

「悪霊か・・・」
そんな言葉が無意識に口からこぼれる。
悪霊と存在を、ずっと悪だと思ってきた。ホラー映画では常に主人公を襲う敵だし、恐ろしい外観をしている。

だけど、本当にそうなのか?


全身に力を入れ、フンッと起き上がる。
身体のアチコチが痛いが、机に移動し、電源が入れっぱなしのパソコンを開く。

次のターゲットを決めなければならない。
できる限り、リスクが低いモノを選択しよう。

市内の心霊スポットを検索していると、線路の向こう側にあるトンネルの噂が載っていた。いかにもありそうな感じの話で、トンネルを抜けると背中に手形が付く・・・というもの。

これにしよう。
これなら、そんなに危険ではないだろう。

おっと。
瑠衣に知らせておこう。勝手に行くと、今度は本当にお仕置きされそうだ。


トンネルに決めた事を瑠衣にメールすると猛烈な睡魔に襲われ、俺は翌朝まで眠りに落ちた。
 


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