黄泉送り ~3人の悪霊と1つの願い~
──未来に


果穂が逝った後、真っ暗な境内には俺と瑠衣だけが残された。


多大な精神力を使った瑠衣が、石畳にへたり込んでいる。
「ありがとな。もし瑠衣がいなかったら、どうにもならなかったよ。何かおごるから」

「ま~さ~は~る~!!
何かおごるじゃないわよ!!
散々私を抱き締めておいて、何かおごるで済むと思ってるの!!」
「え?」
「え?じゃない!!
話すのに不便だったから貸してあげたけど、抱き締めていいとは言ってないわよ!!
責任とれ、責任!!」

「げ・・・何だよそれ。不可抗力だって。
瑠衣だなんて、これっぽちも思ってなかったんだから」
「ムキー!!
それはそれで、何かムカつく!!」


「・・・雅治をお願い。か」
「何か言ったか?」
「い、いや」


結局──
力尽きた瑠衣をおぶって自宅まで連れて帰り、何でも言うことを聞くという条件でどうにか納得させた。

一体どんな事を言い出すのか、考えるだけで身震いがする。





───果穂、必ずまた会おうな。





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