君は私の太陽だ
バスの中でしっかりと、吊り革に捕まってる彼女。


座ればいーのに!


背が低いんだから、突き飛ばされるじゃん。


バスが止まると入口付近に立っている。


毎朝、そんな顔を見ながら学校に行っていた。


でも?


今朝は違った。


心配する気持ちのほうが、先走りする。


昨日の事、気にしてるに違いない。


だけど…!


このバスは、うちの生徒でパンクするんじゃないか位、ギュウギュウ状態…。


俺がバスに入ったとたん、押しくらまんじゅう。


そして俺の視界から?


美佐ちゃんの姿が消えた!


「きゃっ!」


声の方へ目線を移すと。


転びそうな美佐ちゃんがいた。

思わず彼女の腰に手を回した。

危機一発だよ!


やはり元気ねーし?


「昨日の事気にしないで!」


それしか言えなかった。


返ってくる言葉が、怖かったのかも。


「捕まってれば?」


美佐ちゃんは、俺の制服の裾を掴んで下を向いたままだし。


俺って頼りないよな?


そんな気もした。


そしたら?

「かず君とはなんでもない!」

はっ?


そんな訳ないでしょ!


やっべー!


完全に俺?


嫉妬してたりする。


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