好きになった人、愛した人。
中学受験
奈生の絵を描く作業は、気が付けば2時間も経過していた。


さすがに肌寒くなってきてクシャミをしたとき、奈生はハッとした表情を浮かべて「

悪い。あとはもう大丈夫だから、服着て」

と、言ってきた。


肌を合わせたわけではないけれど、裸を見られてしまったことで妙に意識してしまう2人。


服を着終えてからもどこかぎこちなくて、あたしはそそくさと病室をあとにした。


キスをされたわけでも、触れられたわけでもない体。


でも、外の風を浴びても奈生の視線が絡み付いて離れなかった。
< 125 / 395 >

この作品をシェア

pagetop