好きになった人、愛した人。
途中で言葉を切るあたしに奈生は「そう」と、そっけない返事をした。


それに対して安堵するあたし。


できれば、あまり話したくなかったから。


そして全部脱いでしまったあたしはベッドの端に座らされ、奈生がベッドのカーテンをひいた。


「できれば、太陽の当たる外で描きたいんだけど。さすがにそれは無理だからな」


「当たり前でしょ!」


それだけの会話をすると奈生はあっという間にスケッチブックへ集中してしまい、あたしはひたすら奈生の視線と羞恥に耐えたのだった。
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