好きになった人、愛した人。
「あたしの彼氏が描いた絵です」


そう紹介すると、男性は「彼氏? 旦那じゃなくて?」と、聞いてきた。


「いつかそうなるとは思うんですけど、まだあたしたち夢の途中なんです」


互いに立ち止まらないため、結婚というおおきなイベントは後回しにしていた。


こんな調子でずっと一緒にいるのもどうかと、最近また考え始めていたころだった。


奈生も有名になってきて収入も安定してきている。


「よければ、今夜うちの教会にきてみる?」


男性はそう言って、一枚の名刺を差し出してきた。


そこには教会の名前と男性の名前が書かれている。


どうやら、神父さんらしい。
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