不機嫌な果実
「まさか、オレにヤキモチ妬いてんじゃないの、

なぁ、凌也?」

そう言った恭治は、

振り返って、凌也を見た。

パコッ。

・・・あ。

「何やってんのよ!凌也!」

恭治の顔面に、何かをぶつけた凌也。

私はその凌也に怒鳴った。


「変なこと抜かすからだ」

それだけ言った凌也は、

私たちをさっさと追い越し、

先に学校に行ってしまった。

・・・

「ゴメンね、恭治」

私はハンカチを差し出し、

恭治に謝る。


「…ハハ。分かりやすい奴」

「・・・何が??」

「・・・お前って鈍感な」


「・・・???」

「ほら、行くぞ、遅刻する」

時計はそろそろ8時を指してる。


「ヤバい!急ごう」

私は恭治と共に、学校に向かって走っていた。
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