不機嫌な果実
そう思い男たちを睨みつける。

「ッチ!」

舌打ちをした男たちは、

俺達の前から姿を消した。

…ホッとため息をつく。



「そんなに短いスカート履いてくるからだ」

「・・・だって、」



「男の考えてる事なんて、

みんな一緒なんだよ」


「・・・凌也も?」


「?!…バカ、行くぞ」

涙目の桃子の腕を引っ張り、

家路につく。


ずっと無言だった二人。

何を話していいのか、わからないでいた。



「・・・凌也」

「・・・何?」

「助けてくれて、ありがとうね?」

そう言ってニコッと笑った。

その時、溜まっていた涙も一粒落ちた。
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