不機嫌な果実
「凌也はいいよな。

あんな綺麗な先輩が、お隣さんだなんてさ。

オレには雲の上の人だよ」


「…バカじゃねえの?

桃子のどこが綺麗だって?」


オレの言葉に、

笑顔だった淳史の顔が、真顔になった。


「お前、それ本気で言ってんの?」

「当たり前だろ?」


「お前だけだぞ?桃子先輩嫌うの。

桃子先輩狙ってる男子、この学校の、

半数近くいるんじゃないか?

それくらい、綺麗だぞ?

桃子先輩、恭治先輩と付き合ってんのかな?」



「何でそうなる?」


「だって暇さえあれば、いつも一緒じゃん?

恭治先輩が、男子から守ってる感じでさ。

皆噂してる」


「アイツら付き合ってないぞ?」


「・・・マジ?!」

オレの言葉に、目を輝かせた淳史。
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