不機嫌な果実
「誰が王子様だって?」

そう言って淳史を睨んだ。

・・・が。

淳史はオレの睨みなど、

何とも思わない。


「だってそうだろ?

毎朝、女子の黄色い声。

凌也様だぜ?様なんてつけられるなんて、

王子にしかありえないだろ?」

そう言いながら、なおも笑ってる、淳史。


「ウザいんだよ」

そう言って溜息をついた。


「あ!桃子先輩!」

…ピクッ。

勝手に耳が反応してしまった。
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