空が泣いた。



「お世辞はいいですよ、先輩」


「お世辞なんかじゃないよ」


「逆に私、みんなより太ってると思いますけど」


「そっか・・・。ちゃんと食べてね」


「はい。気をつけます」



話しているうちに校門まで来てしまった。

やっぱり、もうお母さんがいる。



「あ、あの車?」


「はい。ありがとうございました」


「じゃあね。また明日」


「はい」



笑顔で手を振る先輩。

つられて私も笑って手を振り返す。



「おかえり、花乃」


「ただいま。お母さん」


「さっきの人、友達?」


「あ、学校の先輩だよ。車椅子、押してもらったの」


「そう。優しい先輩なのね」


「うん」



また明日、永井先輩と話せるといいな。
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