あしたの先


帰宅して、部屋のなかできょうもらったキーホルダーを眺める。


"おなかに赤ちゃんがいます"


メッセージの書かれた、薄いピンクのキーホルダー。


眺めながら、ため息をついた。


とりあえず、カバンにしまっておこう。



そっと、おなかに触れてみる。

生理が来なくなって3ヶ月と少し。

赤ちゃんができたかもしれないと予想はできていた。

それでも、もともと不順だった、という事にすがっていた。


2ヶ月を過ぎたあたりに、自己検査をした

結果は陽性。
赤い印がくっきりと浮き出た。

そうだよね、と小さくつぶやき、少し笑えてきたが何も考えられなかった。


さあ、どうしようか。

だけど何も思いつかない。

彼に言おうか。

言う気になれない。











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