仮定





「へえ……いかにもあいつらしいな」





一度目の告白を受けた翌日。




登校中、幼馴染みのきょうちゃんに昨日の出来事を話していた。





「……もう…わけがわかんないよ…」



「何で?」



「え?」



「好きって言ったんだろ?そのままの意味だろ」



「あ、や、それはわかるんだけどね?いきなりあんな大声でって…びっくりしちゃって」



「ハハ。まあ、陽太いいヤツだし良かったな」



「…う、うん…」



「ちゃんと返事してやれよ。じゃあな」



「うん、ばいばい」




きょうちゃんの手が私の頭の上でポンポンと跳ね、そのまま教室へと消えていく。




「………はぁぁ……」




きょうちゃんの姿が見えなくなった瞬間、私はため息を漏らした。




………わかってない。




ぜんっっぜんわかってないよきょうちゃん…!!




私が望んでたのはそんな反応じゃなくて、何て言うか…こう……ジェラシーをですね……!!




「はあぁぁぁ……」




二度目の、今度は深いため息。



私はトボトボと教室に向かって歩き出した。




< 2 / 11 >

この作品をシェア

pagetop