仮定
「罰ゲームだと思ったのかよ?」
「えと……うん…」
さっきとは打って変わったような暗いトーンの声に、視線を床に移したまま戸惑いながら答える。
「オレ、そんな軽そうかなー」
「あ、あの、軽そうとかじゃなくて… ほら男子ってよく賭け事に負けてそういうことしてるし…」
「…オレそんなんやんねーし」
ますます暗くなる風見。
「つまりオレは対象外ってことか…」
ボソッと呟く。
ど…どどどうしよう…!?
こんな暗い風見見たことないよ?
えっこれどうしよう…!?
「そ…それでね!」
内心わたわたしながらなんとか言葉を繰り出すと、風見は俯いていた顔を上げゆっくりとこっちを向く。
「ほ、本気なら、その、私なんかの何が好きなんだろって…」
罰ゲームでもないなら、一番気になる疑問。
ほんとに私なんかのどこがいいの?
でも、それを口に出すのは思った以上に恥ずかしく、俯く私の顔はきっと耳まで真っ赤。
しかも、風見は黙ったまま…
訪れる静寂。
どんな顔してるかも見れないし…
うわわわわ………
なんか自意識過剰っぽくて………
言わなきゃよかったかも…!!
と、激しい後悔が私を襲っている最中だった。