視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~
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その日の夕方、私は家族とニュースを見て愕然とした。


テレビ画面に表示されている見出し…。


【○○市立図書館 駐輪場で老夫婦刺殺】


それは、私が今日行った図書館だった…。


私は、隣に座るお母さんの手を、
無意識に力一杯握り締める。
怖くて怖くて仕方がなかった…。


私が早く言わなかったから、
見出しの老夫婦が殺されてしまったんだ…
でも、もしかしたら…
それが私自身だったかもしれなかったんだ…


後悔と恐怖を感じて震える私の体を、
お母さんは優しく包んでくれていた…。





『クククッ…』





―…突然

背後から笑い声が聞こえてきたんだ…


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