視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~

お父さんもお母さんも、ソファーに座っている。
私を含めて横一列に。


後ろに居るのは……”誰”?


横を見ても、お母さんとお父さんは聞こえていないのか、テレビのニュースをただ見ているだけ。

私は、ガタガタと体を震わせながらも、ゆっくりと体を横にずらし後ろを振り返ろうとした。

だけど、私はその途中で体を硬直させた…。
振り返りきる前に、視界の端に【黒い靄】が見えたんだ。

震えは酷くなるばかり。
恐怖でお母さんに話しかけたくても声が出ない。



その時…
その【黒い靄】の方から…




『死人ガ増エタ…ククッ…仲間ガ増エタ…』




そう聞こえてきた…








< 22 / 252 >

この作品をシェア

pagetop