視界の端の黒い靄 ~ MOYA ~



「きゃああああああっっ!!」




私の悲鳴が家中に響き渡る。

何度も何度も叫んで暴れる私を、お父さんとお母さんは必死に抱き締めていた。


「香歩!香歩!大丈夫よ!香歩のせいじゃない!!帰宅後直ぐに連絡したんだから!!信じてくれなかった職員が悪いのよ!!」


お母さんは私が老夫婦の事で悲鳴をあげたと思っているらしかった。


違う…そうじゃないのお母さん!!
さっきの声が聞こえなかったの?!

あの…図書館で聞いた
気味の悪い声が…っっ!!

あの人物は”人間”じゃない。
なら何?何なのっっ?!!


【幽霊】だなんて信じない私が、
存在を信じざる終えなくなった瞬間だった…




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