世界聖戦
「…また立ち昇ったな」

青年が呟く。

険しい表情をした、精悍な顔立ちの青年。

長い金色の髪を、吹き荒ぶ風に靡かせている。

この荒廃した世界を生き延びた人類の生き残りか。

否。

彼の背中には、人にはない白き翼があった。

「地獄よりの進撃か…アガリアレプトかサタナキアだな…あの火によって多くの人が息絶えた」

精悍な青年の隣で呟くのは、剣と盾を持つ優美な顔立ちの青年。

彼の背にもまた、白く大きな翼がある。

「人などどうでもいい…文明ばかり発達して、心の進化のなかった幼く思い上がった子らなど、滅びて当然だ」

精悍な青年が吐き捨てる。

「もう…ウリエルはまたそんな事を…慈悲の心無き事は許されざる事よ」

精悍な青年を窘めたのは、同じく白き翼を持つ可憐な若き女性。

「ミカエルやガブリエルからも言ってやって下さい」

女性は優美な青年、そして甲冑と剣を装備した白き翼の青年に言う。

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