世界聖戦
「ヴァチカンは、あのガキを特別扱いしてんだろ？ほら、何てったっけな…生意気なシスターのガキ…そうそう、ファティマだったか」

くくっ、と喉を鳴らして笑いながらヘルが言う。

「ファティマと知り合いなのですか？」

「ああ…」

カタリナの問いかけにヘルは頷く。

…ヴァチカンに所属する前は、金さえ積まれれば殺しもしたという。

マフィア達の抗争にも利用されていた。

ある日、所属する組織のメンツを潰して仕事をしたとかで、抹殺されかけた。

娼婦小屋で椅子に縛りつけられて、床には糞尿がバラ巻かれ、凄まじい力で縄を引きちぎり、自分の両眼球を刳り貫く寸前で、気まぐれに現場を目撃したファティマに助けられたのだ。

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