世界聖戦
周囲の視線を気にしながら。

「ヴァチカンからの指令とはいえ…同胞を粛清するのですよ?何故平気なのですか」

「なぁにが」

ヘルはニヤリと笑う。

「宗教は公的機関だから資金や特権が保証されてんだろ?如何に『裏の顔』の祓魔師とはいえ、それに変わりはねぇ…いわば公認の人殺しだ。こんな気楽な事はねぇ」

「……」

やはりこの男は異質だ。

宗教に携わる人間に相応しくない。

「何故ヴァチカンは…貴方のような人を…」

軽蔑にも似た眼差しで、カタリナはヘルを見つめる。

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