こらしめ屋
「あの…読み終わりました。」
杉原さんの静かな声にハッとして、無限のループを強制的に終わらせた。
「へ?あ、はい。ごめんなさい。ボーっとしてて…。えっと、何か気になる点とかはないですか?」
「いえ、特には。これで十分です。」
「わかりました。このプランで確定ということで。」
「はい。よろしくお願いします。」
そう言って、杉原さんは頭を下げた。
「では、実行日前日に連絡します。料金はその後で。それで、契約書が…えーっと…これかな。」
あたしは、そう言いながら机の上に置いてあるいくつかの用紙から1枚を手にとった。
紙に【契約書】と印刷されているのを確認してから、杉原さんの前に差し出した。
「こちらに契約内容、料金などの詳細が書かれています。これでよろしければ、サインか印鑑をお願いします。」
杉原さんは、契約書に一通り目を通すと、ボールペンで小さくサインをした。
これで、契約成立。