こらしめ屋




杉原さんが、プランの一覧を読んでいる時、あたしはさっき見た暗く光る瞳を思い出していた。




杉原さんに宿る復讐の炎が、瞳をあんな風に光らせているのだろうか?


だとしたら、あたしも、両親のことを思い出している時は、瞳が暗く光っているのだろうか?

それとも、悲しみの方が強くて、涙に揺らいでいるのだろうか?




わからない。




あたしの瞳は暗く光っている?


悲しみに揺らいでいる?



それとも、また違う感情に飲み込まれて、想像もできないような光を宿しているのだろうか?




わかるはずもない。




あたしはどうするの?


どうしたいの?




両親に復讐したいの?


親友達に慰めてもらいたいの?


それとも、過去を無理やり忘れて、何事もなかったかのようにこれからを過ごしたいの?






そんな、答えのでない自問自答をぐるぐると繰り返していた。



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