こらしめ屋
そこまで考えた時だった。
「あの…春花?」
タイミングが良いのか悪いのか…
四季に名前を呼ばれて、ハッとなった。
当然その拍子に、今まで考えていたことは霧のように消えてしまう。
「…へ?あぁ…ごめん。ぼーっとしてた。」
それを聞いた四季は、アハハと爽やかに笑う。
最初の頃の嫌みな笑い方とは全然違う笑顔だ。
綾瀬家での一件があってから、あたしの四季に対する印象は全く変わっていた。
もちろん良い方に。
あたし達は、商店街の通りを歩きながら話をした。
「それで、話って?」
「もちろん、綾瀬家での件についてさ。」
それを聞いたあたしは、頭にその時の場景がフラッシュバックして、少し頭痛がした。
あれは、本当に嫌な思い出…
「謝らないといけないことがあって…」
「四季が…?」
「うん。あの時、何もできなくてごめん。仲介に立つこともできなかった。本当にごめん。」
「そんなの謝ることじゃないよ。四季は何も悪くないし、綾瀬家まで一緒について来てくれたじゃん。」
あたしは慌てて制した。