「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「という訳で。今からい? 絶対寝ないし?」

言いながら杏奈を横向きに抱き上げ、そのまま寝室へ戻る。



「何言ってんの? 朝だよ?」


「だから? 嫌? 杏奈が嫌ならシねぇけど?」


「嫌じゃないけど……」

そう答えて、杏奈は恥ずかしそうに目を伏せた。その頬がほんのり桃色に染まる。



今更照れるかよ? とツッコミたくなったけど、そんな杏奈だから尚更、愛しくて仕方がないのも事実。


つくづく男ってバカだ、と思う。



「ねぇ、その前にとったら? パンダメイク」


「ああ……。だな。忘れてた」


パンダメイクじゃなくてパンダね、と。そこはきちんと指摘しておく。



「洗面所行った時、ついでに洗えば良かった。ムカつき過ぎてて思いつかなかったわ」


「洗えばそれ、落ちるの?」


「何故、俺に聞くんですか。水性ペンで書いたんだよな、もちろん」


「ネームペンって、水性?」




「…………えっ?」




[頑張り過ぎた夜は]Fin.




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