「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
でもでも……浩平と一緒にお料理かぁ……想像したら、ふふっと不気味な笑い声が漏れた。

「おい、何笑ってんだよ? ブサイク」

「それ、浩平が言うか? てか、ブサイクなのはこの手が原因でしょーが!」

浩平の右手首を掴んで、私の頬からそれを引き離そうとしたけど、浩平の腕はピクリとも動かない。


どんだけ全力なんですか?


「でもさ、浩平と一緒にお料理とか、すっごく楽しそう」

やばばばば……顔がニヤけて仕方がない。いいじゃんかー、夫婦でキッチン立つとか、すごくいいじゃんかー!


浩平は、今度は冷ややかに目を細めた。あ、真面目に人の話聞け、とかって怒られる?


だけど浩平の顔が瞬く間に接近してきて、

ちゅん――

唇に、浩平のそれが軽く触れた。


吃驚して浩平を見上げれば、照れくさそうに私から視線を外して、

「お前ってほんっとズルいよな。ブサイクなのに可愛い」

困ったような苦笑を浮かべた。だがしかし、相も変わらず私の左頬は伸びきったままなのです。


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