「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「はい」

ニッコリ微笑みながら(でも多分、やっぱり目は笑っていないだろうけど)、返事を返して再び前を向き直る。



何気なく米山に視線をやれば、薄い笑みを浮かべていた。私と目が合うと、

「3分もてば上出来」

苦笑と共にそう言った。



米山大先生のおっしゃる通りでしょうね。1分後には彼女、また同じことを口にするでしょうね。


『ご飯、まだですかー?』

……って。



「(君江さんに)『おだまリンゴ』って言ってもいいかな」

視線を順麗子さんのお粥に落としながら、ボソリ、呟いてみた。



「いい訳ねぇだろ」

前方から低い重低音がそれを全否定。チッ……。



「ちょっ、高橋さん、それ順麗子さんのだって」

今度はちょっと焦燥気味の重低音。



視線を上げれば正面の米山が、テーブルの上に身を乗り出していた。


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