「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」


出勤前にコンビニに寄って買ったサンドイッチ。それを包んでいるフィルムを剥がしながら、またいつもの問いを口にしてみる。



米山はいつも手作り弁当。唐揚げを箸で口へ運ぶ途中だった米山は、ゆるり、気怠そうに視線を上げて、じっとりとこちらを見た。



「またそれか。話題ねぇなら黙っとけよ」

面倒くさそうな低い声が返って来た。



やっぱりまだ怒っている?

いや、こいつが不機嫌なのも、いつものことだったはず、確か……。



「別に俺、沈黙が苦手とか気まずいとか、そういうのねぇから、いちいち気ぃ使うな」


穏やかな声音。そこに優しさが見え隠れしているように感じて、胸がキュッと縮こまった。



「私だって、沈黙が苦手とか気まずいとか、そんなのないし。若い子じゃあるまいし」


「若いだろ?」


そう言って、フッと微かに口元を緩めた米山に、どうしてだかドキリとする。


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