「ねぇ米山くん、どうしてそんなに不細工なの?」
「ごめん……」

囁くように謝って、米山も泣きそうな顔をした。そして、私が握っている手がモソモソと動き出し、指を絡めて握り直す。



そんなちょっとした触れ合いにも、米山の優しさをヒシヒシと感じて、泣きじゃくりながら俯いた。



コツリ、米山の額が私のそれに触れた。また私の泣き声はボリュームを上げ、そして、

「けほっ、けほっ、ひっ……」

泣き過ぎたせいか、咳き込んでしまった。


本当に、格好悪くて恥ずかしい。



でも米山はきっと、そんな私を見ても嫌いになんかならないんだ。


きっと……。


< 97 / 241 >

この作品をシェア

pagetop