【完・短編】届かないラブレター。

大好きです。



ねぇ、仁。


今、貴方は夢のために頑張ってるんだよね?



ごめんね、一度も"頑張れ"って言ってあげられなくて。





私は仁と友達という立場を捨ててまで、好きと伝えられるほど強くはありませんでした。




だけど必死に貴方にしがみつけるほど、弱くもありませんでした。




中途半端だったんです。




だから、惹かれたんだと思う。




真っ直ぐな太陽のような仁に。




仁の笑顔が好きでした。



仁の優しさが好きでした。



バカなところも、ちょっとお調子者なところも




仁、貴方の全てが大好きでした。




私の想いは伝えられなかったけど




ほんとは「好きだよ」なんて言って『俺も』とか言われて仁の隣を歩きたかったけど




後悔は、してないよ……



何て言ったら嘘になるかな?



でも、後悔はしたくないの。




だって、貴方に沢山の幸せをもらえて幸せだったから。





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