16の月-過去に戻れたら‥【完結】
それなのに‥
それなのに…
「…み…水池…くん‥」
と背後から聞こえた。
振り返ると、やはり高宮さんが僕を見つめていた。
「‥は…話しが…あるの…」
か細く話す高宮さんの唇が小さく動く。
ここ数週間で高宮さんの人相は大きく変わり、頬も痩せこけていた。
僕の心臓がドクンドクンと鳴り響く。
僕の眉間に勝手に皺が寄る‥
「…み…みずい…」
再び高宮さんが言葉を発したと同時に
「話しかけないでくれ!!僕と君は関係ないんだ。迷惑だし!」
と僕は言いその場を走り抜けた。
「…み…みずいけくん…」
高宮さんの呼び止める声が聞こえたけれど、僕は無視をした。
関わり合いたくなかったから‥。