マー君(原作)
よく見ると彼は外人だった。金髪の背の高い白人は、吉沢を振り返り洋太を見た。

その青い瞳はしっかり洋太を捕らえていた。

「ここの責任者、ジョーン・シリアスが説明する。ではジョーン頼む」

ジョーンと呼ばれた男はにっこりと笑い、カプセルに向き直った。そのカプセルは今、洋太が見ているものだった。

「では、簡潔に説明しますが――」

ジョーンは流暢な日本語で話しだした。

「まず始めに断っておきますが、このウィルス――Mウィルスは我々が開発した兵器ですが、暴走をきっかけにですね、その……。

Mウィルスは意思を持つため、その――当初の自己のシステム、つまり……構造を自身で変異させており、我々が知らないことも多々ありますので、ご理解ください。

で、では感染者ですが、彼らはマー君信者と言われ、親となるマー君の指示に従います。このMウィルスの特徴として挙げられるのが、寄生虫の行動パターンに似ているということ。

それによりある理論が生まれたわけですが。

我々はマー君を作りにあたり人間の精神部分の研究をする必要がありました。その過程で、ある精神病を見つけました。

もともと人間の脳とは精神状態に左右されやすく、時に精神が脳に一種の作用を及ぼします。

例として、いつも以上の力が発揮するなども、精神状態が脳に大きな作用を及ぼした結果ととも捕えられます。

そして、その逆もありえます。精神状態が弱まることで、脳に悪影響を及ぼし、その結果脳に一種の虫ができることがあります。

我々はこれを『心虫』と呼んでいます。寄生虫の一種であり、目に見えない負の精神が作り出した脳に住む虫です。

Mウィルスの感染、つまり特殊な光を見ること、その光が脳に伝えられその心虫の卵を
刺激し、孵化させ、脳を支配してしまうというのが、我々の有力な見解でして。

その虫、心虫の卵は全ての人間の脳の中に存在しますが、孵化しやすいある一定の人間と、そうでない人間と別れています。

――そうですね、例えば現実逃避をしている、つまり心の弱い人間の心中は孵化しやすいとしたら?

合致しませんか? Mウィルスに感染する条件に。

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